術後1年(2014/09)
術後1年検査
先日半年ぶりに和歌山医大付属病院を訪れ、藤田教授にお会いし、手術後1年の検査をして頂きました。
◆検査結果
・2点識別は、前方7mm 後方15mm (術前は20mm以上)で
舌の前方が半年前よりも良化
・味覚(苦味・塩味)は全く感知できず、甘味と酸味は
数値的には感知(ただし分厚い膜を通している感じ)
・冷感は前方、後方ともよくわかり
・熱感は前方はわかるが、後方はわずかに感知できる程度
という結果でした。
一年前の記録と現在の普段の生活を比較してみました(下表)。
(クリックすると拡大表示されます)
上の図が、舌をおもいきり伸ばした絵とすると、舌は自分が思っているよりも長く、【Cの部分】は舌をひっこめた時は喉の奥に落ちていて、生活上で食べる時や話すときに良く活躍する部位が【AとBの部分】です。また、奥歯に接する部分がBの横側で、私の場合、不用意に噛んでしまって口内炎ができるのは常に【Bの部分】です。
ちなみに解剖学上、舌神経の支配領域は前方2/3という記述がありますが、患者の実生活においては、食事を味わったり咀嚼したり、言葉を話す時によく使う部位の半分すべてが麻痺している感覚です。
さてこのAとBの部分の麻痺感を、1年前と現在で比べた図が上の図で、黒が濃い部分ほど麻痺感が強いという表し方をしています。
今回の健診は、私も教授も味覚の回復度合いに期待していましたが、甘味は実生活でも自覚があったのですが、酸味については意外でした。もしかして塩味は回復していないかな?と願っていましたがそちらは全く感知できませんでした。
藤田教授に、術後の舌神経の回復過程に関する今までの知見について伺いました。
- ・知覚については術後早い段階~1年目までにぐぐっと回復するケースが多い。
- ・味覚については神経が細いため、回復スピードは緩やかで2年目以降もゆっくりと回復することも多い
というお話でした。
回復の良し悪しは、神経の切れ方、損傷の程度、手術までの期間、栄養状態…いろいろな要素が関連する様です。
知覚はBの部分の膜がかなりぶ厚く、疼痛が強めの日にはペンチで舌と右頬をつかまれた様な感覚になるので、術後1年過ぎてはしまったけれど今後の回復を願わずにはいられません。
健診日は残暑がぶり返す暑い日でしたが、病院へ向かう途中、去年の夏のことを思い出していました。一日中辛い疼痛、頻繁に噛むために絶えない口内炎、抜歯した歯科医に対するやりきれない思い、手術への不安…
あの頃に比べると、今の方が格段に幸せだと改めて感じました。
手術をするか?しないか?
今回、病院で2人の舌神経麻痺の患者さんにお会いする機会がありました。
藤田教授は、患者さんの状態を診て「なるべく早く手術をした方が良い」か「手術はすすめない」か、明確に即答されます。その上で最終的に手術を受けるか、受けないかは患者さんご自身の決断となります。
どうか、お会いした患者さん方が今よりも、少しでも良くなられる様、祈っています。
噛みしめについて
TCH?(歯列接触癖)、噛みしめ癖?、食いしばり癖?…
いろいろ言い方がある様ですが、通常の人は上下の歯がくっついている時間は1日のうち20分程度だそうです。でも、私の場合は
・麻痺感と疼痛などの不快感
・舌を噛むことが怖い(階段や乗物など)
といった要因で、起きている時間の70%くらいは噛みしめているかもしれません。はっと気づいたら力いっぱい口を閉じていて(この時無意識に、健康な左側に舌を寄せて)、顎から首のラインは緊張でカチカチ、口を開けて鏡を見ると舌の両側にはくっきりと歯型が…
良くないな…と思い、気づくとなるべく口をリラックスさせるようにしていますが、下顎ラインが変わってきた様な気がします。傍に小さい鏡を置く等、なるべく気を付けたいものです。